食の知の拠点推進機構(仮称) 設立趣旨書(案)
FKIC:Food Knowledge Initiative Core:09/07/07

 「食」は、人間の生命維持のみならず文化的な営みの根源でもあります。しかしながら、近年、わが国における「食」は、低い自給率と不安定な社会経済システムの中にあって、食の安心・安全、食資源の有効利用と環境保全、食生活と健康、そしてこれらを支える教育など多くの課題を抱えています。一方、伝統的食文化の再評価という観点からは、日本ブランドとして持続可能で豊かな食文化の醸成、多様で信頼できる地域ブランドの確立、食文化に立脚した新たな産業の創造などが求められています。これらの課題に応えるには、産官学が既存の枠組みを超えて連携し、これまで培ってきた食にかかわる知識や資源を融合させ、新たな食の知を生み出す仕組みが必要です。  こうした状況にあって、国レベルでは「食の高度人材教育」や「食の学問体系構築」の必要性が指摘されており、関西でも、産官学共同で「食の知の拠点をめざす関西宣言」が出されました。関西は、日本の食文化発祥の地として広く知られているだけでなく、江戸時代、「懐徳堂 」という領域横断的に学問を吸収し後の日本の発展を支える実学を育んだ地でもあります。今、食に求められているのは、この「懐徳堂」の知に対する姿勢です。当時、「鵺(ぬえ)学問」と揶揄されながら、後に関西および日本を担う人材を輩出し、多くのイノベーションを創出しました。関西は、このように領域横断的に知識や資源を結び付け新たな知や産業を生み出す気質を有しています。  明治以降、欧米の文化を取り入れながら発展を遂げたわが国は、いま、食という私たちの根源にかかわる領域において大きな課題に直面しています。これを解決するには、産官学民を問わず多様な社会セクターの組織や人々を連結し、皆で英知を出し合って持続可能な食文化や食産業を創出するための拠点構築に向けて第一歩を踏み出す必要があります。日本やアジア諸国に根付いている「自然との共生」を基礎としながら、そこに最新の科学技術を癒合させ、関西のみならず日本、アジア、そして、世界に貢献し得る「食の知の拠点」を関西の地に創ることを私たちは目指します。  以上の目的達成に向けて、食生活の質(Quality of Food Life)を向上させ、「食の関西」としてのブランド力を高め、豊かな食文化の普及を目指すとともに、世界をリードする食の知的産業クラスター「日本型フードバレー」の創出を掲げ、その推進を図るため、次の活動を開始します。 ・ 食に関する課題解決の方向性を産官学民の交流促進の中から示す。 ・ 食に関する人材育成のための教育活動を企画・運営・支援する。 ・ 食に関する多方面にわたる人と情報のネットワーク構築や情報発信を推進支援する。 ・ 食に関する多彩なプロジェクトのコーディネートやマネジメントの中核的役割を果たす。            食の知の拠点推進機構(仮称)設立発起人