1.背景 :
●生産・流通・供給・加工等のグローバル化に伴う伝統的食システムが世界的に流動化。
●食品の工業品化に伴う食習慣の変化と食文化の多様化。
●食の安全、安心、食と健康等の関心の高まり。
●中核となる生命系科学が進展し、関連する食関連学問領域がパラダイムシフトを起している。
●細分化、専門化された現在の教育・研究体系では、食を巡って発生している地球規模での今日的な課題解決には不十分であり、従来の学問領域を越えた新たな「食学」の構築と、知の拠点の形成が求められている。
●生産者および消費者からの視点に加えて、「食学」からの視点を持ち、食産業の振興に寄与し得る人材育成をすることが求められている。
2.目的
●食に関わるこれまでの伝統的な学問領域(農学、生活科学、栄養学、医学、経済学等)に、関連する学際周辺領域(バイオサイエンス、食文化学、法規制学、食流通論等)を賦与し、それらを融合した新たな「食学」とも呼ぶべき学問領域を構築し体系化する。
●食の大学院では、それぞれの専門分野を基盤としつつも、食に関する多様な学術的切り口を認め、重層的かつ総合的な視野から「食の知の拠点」を目指す。
(細分化、多様化した食関連の学問研究は、複雑化多様化する現代的課題に対応できず、統合化・融合化を図る中で従来の体系に捕われない総合的学術領域を作る必要が有る)
●食の大学院では、高度な学術的知識の習得や研究能力の育成に加え、演習や実習に重きを置き、「食」に関する専門的知識と広い視野を持った人材を養成する。修了後は、食産業をはじめ、食政策・教育、研究機関等で幅広い分野で活躍し得る高度専門職業人の育成を目指す。

3.対応
●食に関わる学問領域や関連する学際領域に関する教育研究ポテンシャル(注)を有し、かつ食の新たな大学院設立の趣旨に賛同する高度な教育研究を行う機関が、コアとなって共同し実現をめざす。
●新たな大学院の設立に関しては、施設整備、人材確保、国の認可などの課題が多い中、現在の社会的要請に応え、早期に整備し、人材育成を行うために、平成22年度4月から新たに創設される「共同大学院制度」を活用する。
●さらに、この制度を支援する国の新たな「戦略的大学連携支援事業」も、新たに平成20年度に公募されるため、この事業スキームを確保し、国の支援を得て、効果的に実現することが新たな食の大学院創設の弾みにもなる。
●推進にあたっては、共同大学院の整備に向けた大学間の連携を強固にし、「共同大学院ワーキング」の体制を整備し、「食の知の拠点」懇談会における産学官と連携する。
注)
大阪府立大学:生命環境関係:「食の安全・安心」の研究集積
大阪市立大学:生活科学関係:生活をベースにした「食と栄養・健康科学講座」
経営・商学関係:フードビジネス教育、食文化産業の地域集積研究
関西大学:経済・商学関係:食と環境、食と市場の講座
同志社大学:政策科学関係:食育、食と農、スローフード「ソーシャルイノベーション研究」
など

